パソコンに保存されたデジタルオーディオデータを、USBオーディオ機器が忠実に再現するには、様々な技術と対策が必要となります。入力されたパケットデータを遅延なくオーディオストリームに変換し、マスター音源に忠実なタイミングでクロックを刻み、接続された機器へ安定して正確に送り届けることが重要であると私達は考えます。
ここで解説するマルチスレッドによる処理の効率化は、製品内部でおこなわれるデータの並行処理(マルチスレッド)によりオーディオデータストリームを安定した状態で受信/転送することができる技術です。マルチスレッドとは、一連の処理を複数のスレッドに分割し、それぞれのスレッドが並行して処理をおこなうことを指します。これは「高速道路において、複数の料金所を用いて潤滑に通過させる」とイメージしていただくことができます。
これにより製品内部の動作を安定させることができ、遅延することなくデータを転送することができます。さらに内蔵された2基の高精度水晶発振モジュールで生成したクロックを使用することで、より正確なタイミングでのデータを転送することが可能となりました。
パソコンから伝送されたデータを内部で並列処理することにより、延滞することなくオーディオデータストリームを安定した状態で伝送することができます。さらに内蔵された独立水晶発振モジュールを併用することにより正確なタイミングで転送するためジッターの発生を防ぎ、高精度な再生を可能にしています。